uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

副腎皮質腺腫と癌の鑑別「Weiss の criteria」について ー副腎腫瘍取扱い規約準拠ー

副腎皮質腺腫と癌の鑑別において用いられるWeiss の criteria について記しておきます。 この指標は9項目からなり、3項目以上を満たせば副腎皮質癌と診断されます。 「Weiss の criteria」 1.高度な核異型2.核分裂像の亢進・・・ 高倍率50視野中5個をこ…

【前立腺】癌と間違えやすい萎縮腺管

前立腺では癌腺管か非癌腺管かの鑑別は時として難しいものです。数多く診断していても高分子量サイトケラチンの34βE12は常に併用したいと思うところです。 癌と間違えやすい非癌腺管として「萎縮腺管」があります。分泌細胞が消失して基底細胞が腺管を構築し…

【前立腺】ホルモン治療後の前立腺癌の組織像とグレーディングしない理由

ホルモン治療後の前立腺癌に対してはGleason scoreをつけないことになっています。これは治療による癌腺管の形態変化がおこるために正しいグレーディングができなくなるからです。 短期的に抗アンドロゲン製剤を投与された後に全摘された症例です。 この写真…

【皮膚】あたらしい皮膚科学第3版を買いました

あたらしい皮膚科学が発売されたというのを聞きつけて第3版を購入しました。 医学書のほとんどは1万円をこえる価格ながら、これは7800円+税なので安いです。 私は第1版を持っていますが、2005年の発売なんですね。第2版が2011年で今回2018年のものが第3版で…

TNM分類「前立腺癌」の備忘録-前立腺癌取扱い規約準拠-

前立腺癌のTNM分類についての備忘録です。2018年2月現在出版されている泌尿器領域の癌取扱い規約においてはこの前立腺癌取扱い規約(第4版)を含めてUICCのTNM分類第7版が採用されています。 T1 実際的にはTUR-P・HoLEP・TUEBの場合にT1a, T1bがつきます。 …

【前立腺】尿路上皮癌の前立腺導管内進展像

尿路上皮癌(膀胱癌の再発)が前立腺の導管内に進展する像です。 臨床的には膀胱癌に対してBCG膀胱内注入療法後に尿細胞診陽性が続くために精査されました。経尿道的に採取された「①前立腺部尿道」および「②経会陰的に針生検で採取された前立腺組織」です。…

TNM分類「膀胱癌」の備忘録-腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約準拠-

膀胱癌の組織学的TNM分類についての備忘録です。2018年2月現在出版されている泌尿器領域の癌取扱い規約においてはこの腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約を含めてUICCのTNM分類第7版が採用されています。 膀胱癌の診断に際しては多くはTURBTあるいは生検が対象と…

【感染症】アメーバ赤痢

アメーバ赤痢 (amebiasis, amebic colitis) はEntamoeba histolytica の嚢子型(cyst)の経口摂取による原虫感染症です。大腸で栄養型となります。 以下は盲腸炎の疑いで生検されてきた検体です。 大腸粘膜には急性の炎症像がみられ、粘膜表層の壊死をともなう…

TNM分類「腎癌(腎細胞癌)」の備忘録 ー腎癌取扱い規約準拠ー

腎癌(腎細胞癌)の病理組織学的TNM分類について記しておきます。古い規約と現規約では異なるので自身が覚えきれておらず、備忘録的な記事になります。 多くの切除腎細胞癌症例は腎に限局していますが、腎に限局していればT1かT2になり、腫瘍の最大径によ…

【前立腺】BPHってなんのことかわかりますか?

今回は組織像はでてきませんが、以前より気になっていたテーマです。Benign prostatic hyperplasia (BPH) についてです。いわゆる前立腺肥大症のことですが、、、、 教科書的には 本稿を書くに際してもう一度病理の教科書を確認しました。(Robbins & Cotran …

【感染症】Aspergillus (アスペルギルス)症の顕微鏡画像

透析患者さん外耳道内から採取された検体です。真菌塊(真菌球)が見られたのですが、Aspergillus (アスペルギルス)感染だと診断可能な組織像が見られたので掲載しておきます。アスペルギルスは糸状菌の一種で、Y字型の鋭角な分岐が見られる・菌糸の幅が一定で…

【前立腺】放射線治療後の前立腺組織像

前立腺癌に対しては放射線治療が行われることがあります。IMRTなどの外照射・小線源治療などの内照射・ほかにも粒子線治療など多岐にわたります。放射線照射後の前立腺組織はみる機会は多くありませんのでここで提示しておきます。 HEです 二相性の不明瞭な…

【精巣】Sertoli cell only syndrome

精巣から採取された検体です。精細管内には単一のSertoli cellしか見ることができません。同細胞は明瞭な核小体を1つ有するのが特徴です。精子形成の各段階のgerm cellsが含まれず、造精機能障害となります。男性不妊症症例。なお精巣における造精機能を評価…

【前立腺】BCG注入療法後にみられる肉芽腫性前立腺炎

膀胱癌の治療として膀胱内へのBCG注入療法がなされることがあります。CISに対する治療目的やTURBT後の再発予防目的ですね。治療にともない男性の場合はPSA上昇がみられることもあり、前立腺癌の除外のために生検されることがあります。膀胱内への薬剤注入で…

【大腸】 過形成性ポリープ hyperplastic polyp

大腸の過形成性ポリープです。 全く珍しくないものですが、、、 杯細胞 goblet cell の増加と陰窩の鋸歯状変化が見られます。

胃底腺ポリープ hyperplastic polyp, fundic type

過形成性ポリープの胃底腺型です。 全く珍しくないものですが、載せておきます。 腺窩上皮にも過形成性変化が見られるような気がしますが、基本は胃底腺の過形成。 嚢胞状の拡張を伴うことが多いです。 これがある人にはピロリ菌(Helicobacter pylori)はいな…

【自作】 スマホ用顕微鏡写真撮影アダプター

以前の記事で「スマホで顕微鏡写真をとる」というテーマを書きました。 何も道具は使わずに手だけで撮影できるという内容で、実際そのやり方でずっとミクロ画像を撮影してきました。 しかし、撮りたいと思ったときの顕微鏡に室内光が映り込んだり、自分の調…

【皮膚病理】汗嚢腫 hidrocystoma

エクリン汗嚢腫 (Eccrine hidrocystoma). 皮膚の病変です。真皮内に嚢胞性病変がみられます。 嚢胞壁は好酸性の立方上皮に裏打ちされ、エクリン汗腺に類似します。 脂腺嚢腫 steatocystoma などが鑑別して挙がるでしょうか。

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膀胱second TUR切片にみる類上皮細胞

膀胱癌に対するsecond TUR切片です。 壊死や肉芽組織とともに集簇するepithelioid な細胞を認めます。 核異型は目立たず、組織球かと思うも100%carcinomaを除外する自信 がなく、、念のため免疫染色を施行しました。 CD68の免疫染色で多くの組織球が集簇する…

腎血管筋脂肪腫 angiomyolipoma

泌尿器科領域でAMLといえば腎良性腫瘍である血管筋脂肪腫。 病理医と話をしていてAMLですといえば普通は急性骨髄性白血病 を想起するでしょうが、私はangiomyolipomaを考えます。 腎エコーで高輝度を示しますし、CTで脂肪成分があれば 診断は難しくないため…

【組織像】副腎皮質腺腫 adrenocortical adenoma

Adrenocortical adenoma の組織像です。 副腎皮質に類似した淡明な細胞。 好酸性の細胞。図では黒褐色の顆粒(lipochrome)を含む細胞が目立ちます。 細胞質の豊富な細胞だけでなく、かなり小型の細胞をまじえる こともあります。 好酸性の緻密な細胞質を有す…

【肉眼像】副腎皮質腺腫 adrenocortical adenoma

副腎皮質腺腫の肉眼像です。黄色~黒褐色の割面を示します。 原発性アルドステロン症の症例では小さいことが多く(2.5cm以下) Cushing症候群の症例では大きいことが多い。

副腎骨髄脂肪腫 myelolipoma

副腎の骨髄脂肪腫 myelolipoma の症例。 黒褐色割面で一部に黄色部分を含む。 副腎被膜直下にわずかに皮質細胞が確認できる。 成熟脂肪組織と血球成分からなる。

副腎ganglioneuroma

副腎発生の神経節腫 ganglioneuroma の症例。 副腎の皮質がとりまいて割面は灰白色の腫瘤を形成する。 大型の神経節細胞と神経線維・Schwann細胞により構成される。 この症例では副腎皮質と腫瘍が混在しています(左下に皮質細胞)。

RFA後の腎生検組織

腎細胞癌疑いで経皮的ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:RFA)を施行され、そののちに針生検で得られた組織です。 熱による変性が見られるも、淡明~好酸性の細胞質を有した細胞が胞巣を形成します。血管に取り囲まれる胞巣を形成していることも併…

精細管の組織像

病理組織をみていると、造精機能の保たれた精巣実質や精細管をみる機会は意外に 少ない。精子形成の保持された精細管が真ん中にあります。

精巣の奇形腫

精巣に見られた成熟奇形腫です。 線毛上皮、軟骨、腺房、脂肪、平滑筋組織を含みます。 気管支への分化を思わせる像です。

荒廃した腎実質にみるnephrogenic adenomaとの類似性

荒廃した腎実質です。尿細管や集合管が萎縮し、荒廃しています。 微小嚢胞状、細管状のパターンを示すnephrogenic adenomaに類似しており、 hobnail状の細胞も見られます。 Nephrogenic adenoma の由来が腎尿細管細胞であり、膀胱内での生着・増殖病変である…