uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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病理

Greenspan grade について

こんにちは。 今回は、シェーグレン症候群(Sjögren's syndrome: SS or SjS) の組織学的診断についてです。 よく用いられる基準にGreenspan gradeがありますので、このGradeを備忘録として記載しておきます。。 臨床的にSSが疑われ口唇の生検組織(おおよそ2…

陰茎癌のTNM分類

こんにちは。 日本人では頻度は少ないですが、たまに症例があるのでTNM分類をメモしておきます。 症例が少ないためか癌取扱い規約はありません。2016年のWHO classification に準じておきます。同書ではAJCC 7th edition (2010)を基にしています。 T分類 Tis…

精巣垂捻転の組織像

こんにちは。 以前、精巣垂と精巣上体垂の違いを記事にしました。今回は、精巣垂捻転の組織を載せておきます。 www.pathonosuke.net 精巣垂は乳頭状の組織で精巣上体垂は嚢胞状の組織でした。 ↓こちらは精巣垂とわかります。 弱拡大の精巣垂組織です。間質浮…

歯根嚢胞 (radicular cyst) の組織像

こんにちは。 今回は、歯根嚢胞 (radicular cyst) の組織像を示します。 重層扁平上皮に裏打ちされる嚢胞壁組織です。上皮下にはリンパ球・形質細胞主体の炎症細胞浸潤を認めます。 嚢胞腔側(左)の裏装上皮層。 2層目の肉芽組織層。 3層目の線維性結合組織…

Capillary hemangioma の組織像(皮膚)

こんにちは。 Capillary hemangioma (pyogenic granuloma, telangiectatic granuloma) の組織像です。ISSVA分類では vascular malfomation, capillary malformation に相当します。 皮膚真皮内に毛細血管増生からなる肉芽組織を認めます。表皮はやや菲薄で過…

TAEによる膀胱癌の組織変化

こんにちは。 泌尿器病理の中でも膀胱癌に対するTURBTというのは変性が強い組織の一つです。 生検であればそれほど組織像の変化はないのですが、熱がかかる・分断される・挫滅が加わるなどの変化が大きい「ループ電極での切除」は病理医泣かせといえます。変…

皮膚血管腫(動静脈血管腫・動静脈奇形)の組織像

こんにちは。 血管腫 (hemangioma)は、皮膚などにできる良性の病変ですが、最近は血管奇形 (vascular malformation) と書いた方がいいのかなと思ったので記事にしました。 頭皮の病変の組織像です。弱拡大では真皮内から脂肪組織にかけて楔状に血管腔の集簇…

後腹膜脂肪肉腫では、「脱分化型脂肪肉腫に横紋筋肉腫様の分化を伴う」ことがある。

こんにちは。 自称泌尿器病理医が日常出会った症例や調べたことなどを書いています。 後腹膜脂肪肉腫の症例を経験 論文ひとつ目 論文ふたつ目 2本の論文から考える 自験例を考える 直近の論文 後腹膜脂肪肉腫の症例を経験 後腹膜脂肪肉腫の症例を診断する機…

【胃生検】低分化腺癌 (Group5)

こんにちは。 今回は胃生検でみられた低分化腺癌の組織像です。 分化型にくらべると内視鏡的にわかりにくのでしょうか、悪性疑いでない場合に時に出会うことがあり、このような場合には見落しに気をつけないと怖いです。 粘膜固有層内の間質に索状もしくは孤…

腎静脈内への腫瘍進展をしめす腎細胞癌

こんにちは。 Clear cell renal cell carcinoma の腎静脈内進展。いわゆるtumor thrombus の組織像です。 上方に動脈があり随伴する静脈内にRCCの静脈浸潤像が見られます。 写真の左に腎実質がみえるので、ちょうど脈管が腎実質に入るレベルの腎静脈分枝です…

高分化脂肪肉腫・脱分化型脂肪肉腫における免疫染色について

こんにちは。 病理医が目にする頻度はあまり高くありませんが、たまに間葉系悪性腫瘍(肉腫)に出会います。 泌尿器病理をやっていると様々な臓器に発生する悪性リンパ腫が思い浮かぶのですが、いわゆる肉腫というと後腹膜領域に発生する高分化脂肪肉腫 (aty…

病理標本用のマッペを作成。薄くて軽量で郵送も可能。

こんにちは。 病理標本の保管・移送用に用いられているスライドガラス用のトレイをマッペと呼んでいます。 マッペは1枚あたり20枚や30枚のスライド載せることができ、このマッペを重ねることで標本を保管することができます。 病理検査室においているマ…

病理医にとって理解しておきたい「ウィル・ロジャース現象」

こんにちは。 病理医の診断には良悪を決めるところから、悪性度やスコアをつけるところまで様々な(責任の)レベルがあります。 良悪については間違うと責任を問われる可能性があります。しかし、その悪性度(high grade / low grade や Grade 1~3 など)の…

前立腺癌の組織像。Gleason 3+4 と 4+3。

こんにちは。 前立腺癌に特有のGleason score について、実例を載せておきます。 Gleason score はISUPのコンセンサス会議で改正され、少しずつ変化してきました。 再現性を担保する上で重要なことは、 ・弱拡大での観察を重視する ・独立腺管=Gleason patt…

膀胱の上皮内癌 = Carcinoma in situ (CIS) の組織像

こんにちは。 膀胱のCISの像を載せておきます。 粘膜上皮の表層を被蓋するアンブレラ細胞はかなりの部分で残存しています。 このアンブレラの下にCISの増殖が見られます。 核の多型性が目立つ異型尿路上皮細胞で、その核の大きさに注目すると、間質のリンパ…

Inverted papilloma と von Brunn's nest

こんにちは。 Inverted papilloma と von Brunn's nest についてです。 いずれも膀胱の三角部近傍に好発します。良性の病変ですね。 こちらは Inverted papilloma です。表面(画像の左側)に非腫瘍性の尿路上皮が覆っています。 その下方には内反性に増殖す…

急性膀胱炎の組織像

こんにちは。 今回は粘膜上皮内にかなり強い好中球浸潤が見られた症例です。 尿路上皮内に好中球浸潤が目立ちます。これくらいの炎症細胞浸潤があると反応性に上皮異型が見られることがおおいのですが、ほとんど核の腫大はありません。間質のリンパ球と同じ…

大腸癌の組織像。Group5です。

こんにちは。 大腸癌の組織像を載せておきます。病理組織像になじみが浅い臨床医や研修中の先生には参考になるかもしれません。 自分が日々診断していて、Group5をつけた症例から適当に選んで組織像を貼っておきます。 核の腫大や大小不同があります。管腔は…

膀胱固有筋層の組織像

こんにちは。 今回は膀胱固有筋層の組織像を載せておきます。 上はほぼ正常の粘膜上皮です。その下に粘膜固有層があり、下半分が固有筋層の一部です。消化管に見られるようにどの部位でも粘膜筋板があるというわけではありません。 このように筋板がなく固有…

膀胱粘膜の正常組織像

こんにちは。 「Histology for Pathologist」という本があります。病理の道に入ってから今までかなりお世話になっている組織学の本です。 我々は形態をみて正常からの隔たりを診断根拠にしているわけです。正常の組織像とはどんなものかというのはとても大事…

管状腺腫の組織像

こんにちは。 日頃よくみる (というかほぼ毎日のように見る) 大腸の管状腺腫 tubular adenoma の組織像を載せておきます。 縦長の核をもつ腫瘍細胞からなる腺管が集簇する。低異型度の管状腺腫です。 こちらも縦長核のadenoma腺管が集簇します。これはポリペ…

精巣腫瘍取扱い規約 第4版が発売されました(2018/8/22)

こんにちは。 本日8/22に精巣腫瘍取扱い規約の第4版が発売されました。 第3版が2005年でしたので13年ぶりの改訂になります。 内容紹介精巣腫瘍では信頼性の高い基準に基づいて適切かつ迅速な診断と治療を行い、データを蓄積することは重要である。転移を有す…

続・病理画像をスマホで撮影する方法。さらにアダプタを改良しました(2018/8/20)

こんにちは。 「病理画像をスマホで撮影する」というテーマでいくつか記事を書いてきました。 市販のアダプターを使わなくても撮影可能なアダプターはできないだろうか。ということで、安価で手軽に利用できるアダプタを改良してきました。 今回は改良版のア…

診断入力を高速化&省力化する超便利ツール。病理医におすすめの【ぺースター】についての話。

こんにちは。 表題をすこしおおげさに書いてしまいました。 私が病理医として日々の診断入力をする上で、欠くことのできないスーパーアプリケーションソフトがあります。ものすごく便利なため、私が診断するPCにはすべて配置させてもらっています。個人のPC…

スライドガラスに書き込んだマジックを消す方法。無水エタノールが便利すぎる。

こんにちは。 泌尿器病理の病理組織画像を中心に病理医として経験した症例や気づいたことなどの記事やメモを書いています。 さて、病理を普段の仕事としている者にとっては、スライドガラスにマジックで字を書き入れたり、マーキングをしたり、番号を書いた…

新・病理画像をスマホで撮影する方法。アダプタを改良しました。(2018/8/14)

こんにちは。 以前、スマートフォンで病理標本の顕微鏡画像を撮影するという記事を書きました。フリーハンドでも撮影できますが、手振れやピントあわせが難しいので、よりキレイな写真をとるために自作での撮影用アダプター(といってもきわめて簡単なもので…

Jonsen's score について

こんにちは。 TESEやMD-TESEの検体をたまにみることがあります。精子形成の有無や、どの程度の分化段階までのgerm cellが確認できるのかなど評価するわけですが、おそらくはJonsen's score をつけている病理医が多いのではないでしょうか。 覚えきれないので…

精巣垂と精巣上体垂の像

こんにちは。 今回は、私自身が「どっちがどうだっけ?」と混乱してしまいがちなこの二つについて記載しておきます。 それほど目にする頻度は高くないですが、急性陰嚢症をおこすこともあり、精巣固定術の際に採取されることがあります。また精巣腫瘍での除…

「腎癌(腎細胞癌)」のGradingについての備忘録 ー腎癌取扱い規約準拠ー

腎癌(腎細胞癌)の病理組織学的TNM分類について以前記載しましたが、腎癌のグレーディングについてもここに記しておきます。現規約では「従来の日本規約」に加えて「Fuhrman分類」についても記載されています。 なお現行のWHO classification にはWHO/ISUP gr…

大腸癌取扱い規約-第9版 (2018年7月)が発売されました。

こんにちは。 先日、「大腸癌取扱い規約-第9版」が発売されました。 2018年7月版です。 自称泌尿器病理医の私でも胃癌・大腸癌をみないわけではないので、昨年に改訂された胃癌取扱い規約に引き続き、このたびの大腸癌取扱い規約についてもフォローしないと…

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