uropatho’s diary

泌尿器病理医によるブログ

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「胃癌 gastric cancer」の病理診断フォーマット。癌取扱い規約に準じた記載。

こんにちは。

 

胃癌取扱い規約の第15版が2017年10月発売ですので1年以上経過しています。

しかし未だに規約の内容が覚えきれないので、勉強がてら備忘録としてメモしておきます。 筆者なりの解釈や改変が入っているので実際の規約を基本としてください。

 

胃癌取扱い規約 第15版

胃癌取扱い規約 第15版

 

 

 

 

 

内視鏡切除(ESD・EMR)

 

・ESD診断の記載例

Stomach, ESD:

U, Post, 40×30mm, Type 0-Ⅱc, 18×15mm, tub1, pT1a (M), pUL0, Ly0, V0, pHM0 (5mm), pVM0

 

①部位: U, M, L ⇒ それぞれ 胃の上部・中部・下部

②部位: Ant, Post, Less, Gre, Circ ⇒ それぞれ 前壁・後壁・小弯・大弯・全周

・領域がまたがる場合は、UM や AntLess のように連続して書く

③サイズ ⇒ 切除組織のサイズ and 腫瘍のサイズ (長径×それに直交する径)

④肉眼型 ⇒ 0-Ⅰ, 0-Ⅱa, 0-Ⅱb, 0-Ⅱc, 0-Ⅲ ⇒ それぞれ隆起型・表面隆起型・表面平坦型・表面陥凹型・陥凹型 (内視鏡医の記載を採用すれば可)

⑤組織型 ⇒ pap, tub1, tub2, por1, por2, sig, muc

(ESDは通常粘膜内癌なので por を亜分類する必要なし。por は少ない)

⑥深達度

不明 ⇒ Tx

癌なし ⇒ T0

粘膜 (と粘膜筋板まで) にとどまる ⇒ T1a (M)

粘膜下組織まで ⇒ T1b (SM)

 ・粘膜筋板から0.5mm 未満 ⇒ T1b1 (SM1)

 ・粘膜筋板から0.5mm 以上 ⇒ T1b2 (SM2)

※粘膜下異所性胃腺 heterotopic submucosal gland に進展しても間質に浸潤しない癌は T1a 

※浸潤距離は筋板下縁 or 腫瘍の表面から(筋板が消失時)

⑥' 深達度がpT1b (SM) 以深については "INF" についても記載する。

 INFa: 膨張性の増殖

 INFb: a と c の間

 INFc: 浸潤性の増殖 

⑦ 脈管侵襲

ESD では脈管侵襲+の場合の細分類不要 ⇒ Ly0 or Ly1, V0 or V1

⑧潰瘍

潰瘍(もしくは瘢痕)なし ⇒ pUL0

潰瘍(もしくは瘢痕)あり ⇒ pUL1

⑨切除断端

水平断端に癌なし ⇒ HM0 (horizontal margin),  断端からの距離が5mmであれば HM0 (5mm)

水平断端に癌あり ⇒ HM1

垂直断端に癌なし ⇒ VM0 (vertical margin)

垂直断端に癌あり ⇒ VM1 

 

手術検体(胃全摘・幽門側切除)

 

・外科手術の診断記載例

Stomach, distal gastrectomy:

L, Ant, Type1, 50×30mm, tub1>tub2, pT3 (SS), INFb, Ly1a, V1a, pPM0 (50mm), pDM0 (20mm), pN0 (0/12)

 

①部位: U, M, L ⇒ それぞれ 胃の上部・中部・下部

①' 部位: 食道胃接合部の上下2cmに中心があれば食道胃接合部癌。E, EG, E=G, GE, G。

②部位: Ant, Post, Less, Gre, Circ ⇒ それぞれ 前壁・後壁・小弯・大弯・全周

・領域がまたがる場合は、UM や AntLess のように連続して書く

③サイズ ⇒ 長径×それに直交する径

④肉眼型 ⇒ 0, 1, 2, 3, 4, 5  (それぞれ表在型・腫瘤型・潰瘍限局型・潰瘍浸潤型・びまん浸潤型・分類不能

⑤組織型 ⇒ pap, tub1, tub2, por1, por2, sig, muc

⑥深達度

不明 ⇒ Tx

癌なし ⇒ T0

粘膜 (粘膜と粘膜筋板まで) にとどまる ⇒ T1a (M)

粘膜下組織まで ⇒ T1b (SM)

固有筋層まで ⇒ T2 (MP)

筋層をこえて漿膜下層へ ⇒ T3 (SS)

漿膜表面に接しているか露出 ⇒ T4 (SE)

他臓器浸潤 ⇒ T4 (SI)

⑦ 浸潤増殖様式

 INFa: 膨張性の増殖

 INFb: a と c の間

 INFc: 浸潤性の増殖 

⑧ 脈管侵襲

リンパ管侵襲なし ⇒ Ly0

リンパ管侵襲あり ⇒ Ly1 (Ly1a / Ly1b / Ly1c それぞれ 軽度・中等度・高度)

静脈侵襲なし ⇒ V0

静脈侵襲あり ⇒ V1 (V1a / V1b / V1c  それぞれ 軽度・中等度・高度)

⑨切除断端

近位断端に癌なし ⇒ pPM0 (proximal margin),  断端からの距離が5mmであれば pPM0 (5mm)

近位断端に癌あり ⇒ pPM1

遠位断端に癌なし ⇒ pDM0 (distal margin) ,  断端からの距離が5mmであれば pDM0 (5mm)

遠位断端に癌あり ⇒ pDM1 

⑩リンパ節

領域リンパ節転移なし ⇒ N0

領域リンパ節転移に1~2個の転移あり ⇒ N1

領域リンパ節転移に3~6個の転移あり ⇒ N2

領域リンパ節転移に7~15個の転移あり ⇒ N3a

領域リンパ節転移に16~の転移あり ⇒ N3b

※胃の領域リンパ節は No.1~12, 14v (規約p19・20を参照) これ以外の転移はM1。

 

・残胃癌についてもp5に記載されています。

・その他の転移についてはp24に記載あり。M1, H1 (肝転移), P1 (腹膜転移)など。

 

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